まったく新しいコンセプトの認知向上には困難が伴う。カタチを持たない「サービス」であってみればなおのことだ。本施策ではこの問題に対して、初手となるコンセプトの策定に始まり、それを具現化するキービジュアルの作成、ターゲットに伝えるメディアの選定、コンテンツ作成、コミュニケーション施策に至るまでに包括的に取り組んだ。
実際どのようなツール、あるいはメディアが適切なのか。今日、ターゲットの母数や潜在的ニーズの大きさ、リーチの度合い、コストパフォーマンス、オペレーションの難易度等を勘案し、複合的に決定さるべきものである。ここでは一般的な選択肢である広告をメインの戦略から除外し、潜在的ユーザとなる規模の企業を対して、ダイレクトなコミュニケーションを行った。むろん、ただのDMでは誰の興味も惹かない。そこでサイズ的にも、厚みや重さ、形状的にも、ソフトウェアのパッケージかと見紛うような「物質としての存在感」を持たせた。思わず目（あるいは手）が止まり、むやみに捨てられず、まずはシュリンクを開けたくなるDM（…とは言い難い、ボックス状のなにか）である。企業の各レイヤーをターゲティングした、さまざまなアイテムを一つにパッケージングすることで、企業内でのサーキュレーション効果を狙った。

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